佛國品第一 |
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如是我聞 | 是の如く我聞く | このようにわたしは聞いた | 1 |
一時 | 一時 | ある時 | 2 |
佛在 | 佛 | 仏は | 3 |
毘耶離 | 毘耶離 | 毘耶離城の | 4 |
庵羅樹園 | 庵羅樹園に在して | 庵羅樹園にいまして | 5 |
與大比丘衆 | 大比丘衆 | 大比丘衆 | 6 |
八千人倶 | 八千人と倶なりき | 八千人と一緒であり | 7 |
菩薩 | 菩薩 | 菩薩も | 8 |
三萬二千 | 三萬二千あり | 三万二千人いた | 9 |
衆所知識 | 衆の知識する所なり | みな誰知らぬものはなく | 10 |
大智本行 | 大智本行 | 菩薩の広大な智慧と菩薩の本分として行うべきことは | 11 |
皆悉成就 | 皆悉く成就し | みな出来上がっている | 12 |
諸佛威~之所建立 | 諸佛威~の建 立する所なり | それは諸仏が威光ある不思議の力を添えて成り立たせたもので | 13 |
爲護法城 | 法城を護んが爲に | 仏法の城を護るために | 14 |
受持正法 | 正法を受持し | 正しい法を受けて保持して | 15 |
能師子吼 | 能く師子吼して | 説き明かすこと恰も獅子が吼えて百獣がひれ伏すようである | 16 |
名聞十方 | 名十方に聞ゆ | その名は十方に知れ渡っており | 17 |
衆人不請 | 衆人請はざれども | 人から頼まれずとも | 18 |
友而安之 | 友として之を安じ | 友人のように安心を与えてくれる | 19 |
紹隆三寶 | 三寶を紹隆して | 仏法僧三宝を受継ぎ | 20 |
能使不絶 | 能く絶へざらしめ | 断絶させることなく | 21 |
降伏魔怨 | 魔怨を降伏し | 修業の妨げになる魔を押さえ | 22 |
制諸外道 | 諸の外道を制す | 仏の道以外の教えには見向きもしない | 23 |
悉已清浄 | 悉く已に清浄にして | すでに全てに於て清浄であり | 24 |
永離蓋纏 | 永く蓋纏を離れ | とうに煩悩からは離れていて | 25 |
心常安住 | 心常に | 心は常に安らかで | 26 |
無礙解脱 | 無礙解脱に安住し | 自由自在に解き放たれている | 27 |
念定總持 | 念定總持 | 衆生のことをいつも心にかけ心は平常で仏の教えを忘れることなく | 28 |
辯才不斷 | 辯才斷えず | 説法は弁舌さわやかである | 29 |
布施持戒 | 布施持戒 | 人々に与え身を正しく持し | 30 |
忍辱精進 | 忍辱精進 | 耐え努め | 31 |
禪定智慧 | 禪定智慧 | 心は平静に仏のように賢く | 32 |
及方便力 | 及び方便力 | また衆生を教化する手段も | 33 |
無不具足 | 具足せざる無く | 具わっていないものはなく | 34 |
逮無所得 | 無所得 | 悠々自適の境にあり | 35 |
不起法忍 | 不起法忍に逮べり | なに動ずることもない | 36 |
已能隨順 | 已に能く隨順して | すでに仏のなさりようによく随順して | 37 |
轉不退輪 | 不退の輪を轉じ | 法輪を転じて不退である | 38 |
善解法相 | 善く法相を解し | 善く諸法の実相を解し | 39 |
知衆生根 | 衆生の根を知り | 衆生によりその性根を知り分け | 40 |
蓋諸大衆 | 諸の大衆を蓋 | どんな人をも漏らさず護り | 41 |
得無所畏 | 無所畏を得たり | 自信をもって法を説く | 42 |
功徳智慧 | 功徳智慧 | 衆生を利益する力と仏に学んだ智慧とで | 43 |
以修其心 | 以て其の心を修め | 心を修め | 44 |
相好嚴身 | 相好身を嚴りて | その徳に相応しい容貌が身につき | 45 |
色像第一 | 色像第一なり | 姿形は第一である | 46 |
捨諸世間 | 諸の世間の | 諸々の世間的の | 47 |
所有飾好 | 所有の飾好を捨て | 装身具の力を借りなくとも | 48 |
名稱高遠 | 名稱の高遠なるこ と | 名声は高く | 49 |
踰於須彌 | 須彌に踰え | 須弥山を踰えるほどだ | 50 |
深信堅固 | 深信の堅固なること | 深く仏を信ずる心は | 51 |
猶若金剛 | 猶金剛の若し | 金剛のごとく堅固である | 52 |
法寶普照 | 法寶普く照して | 法を説けば普く人々の心を照らし | 53 |
而雨甘露 | 甘露を雨らし | 甘露を降らすように潤す | 54 |
於衆言音 | 衆の言音に於て | 説の優れているだけでなく言い方や声も | 55 |
微妙第一 | 微妙第一なり | 精妙で第一である | 56 |
深入縁起 | 深く縁起に入り て | あらゆる事は縁によって起こることを深く究め | 57 |
斷諸邪見 | 諸の邪見を斷じ | 邪見を断ち | 58 |
有無二邊 | 有無の二邊 | 有にも偏せず無にも偏せず(中道を得て) | 59 |
無復餘習 | 復餘習無し | 一切の迷いの跡かたも無い | 60 |
演法無畏 | 法を演ぶるに畏無きこと | 法を演べる時は何の心配もなく自信にみちて | 61 |
猶師子吼 | 猶師子吼のごとく | 獅子が吼えるようであり | 62 |
其所講説 | 其の講説する所 | その内容は | 63 |
乃如雷震 | 乃ち雷震の如し | 雷震のように響き渡り人々に感銘を与える | 64 |
無有量已過量 | 量有ること無く已に量に過ぎたり | 諸菩薩は遥かに無量の智と徳を具えている | 65 |
集衆法寶 | 衆の法寶を集むること | 多くの法の宝を集めるのは | 66 |
如海導師 | 海導師の如し | 海をのり越え宝物を集めてくる船長のようなものだ | 67 |
了達諸法 | 諸法の | あらゆる物事の | 68 |
深妙之義 | 深妙の義に了 達して | 奥深い意味を知り | 69 |
善知衆生 | 善く衆生の | 人々が | 70 |
往來所趣 | 往來の所趣 | 何処から来て何処へ往くのかその場所をよく知り | 71 |
及心所行 | 及び心の所行を知り | 心の持ち方で六趣が現れ来ることもよく知っている(地獄餓鬼畜生阿修羅人天) | 72 |
近無等等 | 無等等の | 比すべきものは無く(無等)しかも仏に等しく具わっている | 73 |
佛自在慧 | 佛自在慧 | 仏自在の智慧 | 74 |
十力無畏 | 十力無畏 | 仏の十力と四無畏 (十力:知是処非処智力・知三世業報智力・知諸禅解脱三昧智力・知諸根勝劣智力・知種々解智力・知一切至所道智力・知天眼無礙智力・知宿命無漏智力・知永 断習気智力 四無畏:一切智無所畏・漏尽無所畏・説障道無所畏・説尽苦道無所畏) |
75 |
十八不共 | 十八不共に近し | 誰も共にすることが出来ない仏の十八の行いに近づいている (十八不共:身無失・口無失・念無失・無異想・無不定心・無不知已捨・欲無減・精進無減・念無減・慧無減・解脱無減・解脱知見無減・一切身業随智慧行・一 切口業随智慧行・一切意業随智慧行・智慧知過去世無礙・智慧知未来世無礙・智慧知現在世無礙) |
76 |
關閉一切 | 一切 | 菩薩は自己の悪業によって趣く | 77 |
諸悪趣門 | 諸悪趣の門を關 閉すれども | 地獄餓鬼畜生界へ堕ちることは一切ないのであるが | 78 |
而生五道 | 而も五道に生じて | 衆生を救うために身を下して地獄餓鬼畜生人天の五道に生じ | 79 |
以現其身 | 以て其の身を現じ | その身を現し | 80 |
爲大醫王 | 大醫王と爲りて | 大医王となって | 81 |
善療衆病 | 善く衆病を療し | あらゆる病を善く治すために | 82 |
應病與薬 | 病に應じ薬を與えて | 病気に応じて薬を与え | 83 |
令得服行 | 服行することを得しむ | 服用させる | 84 |
無量功徳 | 無量の功徳 | このように計り知れない功徳は | 85 |
皆成就 | 皆成就し | すっかり身についており | 86 |
無量佛土 | 無量の佛土 | 数え切れない理想の国土を | 87 |
皆嚴淨 | 皆嚴淨す | 美しく造り上げてきた | 88 |
其見聞者 | 其の見聞する者にして | その光景を見聞きしただけでも | 89 |
無不蒙益 | 益を蒙らざるは無く | 利益を受けないものはない | 90 |
諸有所作 | 諸有の所作 | 菩薩の行うあらゆることは | 91 |
亦不唐捐 | 亦唐捐ならず | みな衆生にその利益を与え一として無用なものはないのである | 92 |
如是一切功徳 | 是の如く一切の功徳 | このように一切の功徳が | 93 |
皆悉具足 | 皆悉く具足せり | すべて具わっているのである | 94 |
其名曰 | 其の名を曰え ば | その名を言えば | 95 |
等觀菩薩 | 等觀菩薩 | 等觀菩薩 | 96 |
不等觀菩薩 | 不等觀菩薩 | 不等觀菩薩 | 97 |
等不等觀菩薩 | 等不等觀菩薩 | 等不等觀菩薩 | 98 |
定自在王菩薩 | 定自在王菩薩 | 定自在王菩薩 | 99 |
法自在王菩薩 | 法自在王菩薩 | 法自在王菩薩 | 100 |
法相菩薩 | 法相菩薩 | 法相菩薩 | 101 |
光相菩薩 | 光相菩薩 | 光相菩薩 | 102 |
光嚴菩薩 | 光嚴菩薩 | 光厳菩薩 | 103 |
大嚴菩薩 | 大嚴菩薩 | 大厳菩薩 | 104 |
寶積菩薩 | 寶積菩薩 | 宝積菩薩 | 105 |
辯積菩薩 | 辯積菩薩 | 弁積菩薩 | 106 |
寶手菩薩 | 寶手菩薩 | 宝手菩薩 | 107 |
寶印手菩薩 | 寶印手菩薩 | 宝印手菩薩 | 108 |
常擧手菩薩 | 常擧手菩薩 | 常挙手菩薩 | 109 |
常下手菩薩 | 常下手菩薩 | 常下手菩薩 | 110 |
常慘菩薩 | 常慘菩薩 | 常慘菩薩 | 111 |
喜根菩薩 | 喜根菩薩 | 喜根菩薩 | 112 |
喜王菩薩 | 喜王菩薩 | 喜王菩薩 | 113 |
辯音菩薩 | 辯音菩薩 | 弁音菩薩 | 114 |
虚空藏菩薩 | 虚空藏菩薩 | 虚空藏菩薩 | 115 |
執寶炬菩薩 | 執寶炬菩薩 | 執宝炬菩薩 | 116 |
寶勇菩薩 | 寶勇菩薩 | 宝勇菩薩 | 117 |
寶見菩薩 | 寶見菩薩 | 宝見菩薩 | 118 |
帝網菩薩 | 帝網菩薩 | 帝網菩薩 | 119 |
明網菩薩 | 明網菩薩 | 明網菩薩 | 120 |
無縁觀菩薩 | 無縁觀菩薩 | 無縁觀菩薩 | 121 |
慧積菩薩 | 慧積菩薩 | 慧積菩薩 | 122 |
寶勝菩薩 | 寶勝菩薩 | 宝勝菩薩 | 123 |
天王菩薩 | 天王菩薩 | 天王菩薩 | 124 |
壞魔菩薩 | 壞魔菩薩 | 壞魔菩薩 | 125 |
電徳菩薩 | 電徳菩薩 | 電徳菩薩 | 126 |
自在王菩薩 | 自在王菩薩 | 自在王菩薩 | 127 |
功徳相嚴菩薩 | 功徳相嚴菩薩 | 功徳相厳菩薩 | 128 |
師子吼菩薩 | 師子吼菩薩 | 師子吼菩薩 | 129 |
雷音菩薩 | 雷音菩薩 | 雷音菩薩 | 130 |
山相撃音菩薩 | 山相撃音菩薩 | 山相撃音菩薩 | 131 |
香象菩薩 | 香象菩薩 | 香象菩薩 | 132 |
白香象菩薩 | 白香象菩薩 | 白香象菩薩 | 133 |
常精進菩薩 | 常精進菩薩 | 常精進菩薩 | 134 |
不休息菩薩 | 不休息菩薩 | 不休息菩薩 | 135 |
妙生菩薩 | 妙生菩薩 | 妙生菩薩 | 136 |
華嚴菩薩 | 華嚴菩薩 | 華嚴菩薩 | 137 |
觀世音菩薩 | 觀世音菩薩 | 観世音菩薩 | 138 |
得大勢菩薩 | 得大勢菩薩 | 得大勢菩薩 | 139 |
梵網菩薩 | 梵網菩薩 | 梵網菩薩 | 140 |
寶杖菩薩 | 寶杖菩薩 | 宝杖菩薩 | 141 |
無勝菩薩 | 無勝菩薩 | 無勝菩薩 | 142 |
嚴土菩薩 | 嚴土菩薩 | 厳土菩薩 | 143 |
金髻菩薩 | 金髻菩薩 | 金髻菩薩 | 144 |
珠髻菩薩 | 珠髻菩薩 | 珠髻菩薩 | 145 |
彌勒菩薩 | 彌勒菩薩 | 弥勒菩薩 | 146 |
文殊師利法王子菩薩 | 文殊師利法王子菩薩 | 文殊師利法王子菩薩 | 147 |
如是等三萬二千人 | 是の如き等の三萬二千人なり | このような方々三万二千人がおられた | 148 |
復有萬梵天王尸棄等 | 復た萬の梵天王尸棄 等有り | また万の梵天王尸棄等がおり | 149 |
從餘四天下 | 餘の四天下從り | 余所の四天下より | 150 |
來詣佛所 | 佛所に來詣して | 仏所に来詣して | 151 |
而聴法 | 法を聴く | 法を聴いている | 152 |
復有萬二千天帝 | 復た萬二千天帝有り | また万二千の天帝が | 153 |
亦從餘四天下 | 他所の四天下より | 余所の四天下より | 154 |
來在會坐 | 來りて會坐に在り | 来て会坐におられる | 155 |
并餘大威力諸天 | 并に餘の大威力諸 天 | さらに余の大威力諸天や | 156 |
龍神 | 龍神 | 竜神 | 157 |
夜叉 | 夜叉 | 夜叉 | 158 |
乾闥婆 | 乾闥婆 | 乾闥婆 | 159 |
阿脩羅 | 阿脩羅 | 阿脩羅 | 160 |
迦樓羅 | 迦樓羅 | 迦楼羅 | 161 |
緊那羅 | 緊那羅 | 緊那羅 | 162 |
摩侯羅伽等 | 摩侯羅伽等も | 摩侯羅伽(侯:目偏) | 163 |
悉來會坐 | 悉く會坐に來りぬ | みな会坐に来ている | 164 |
諸比丘 | 諸の比丘 | 多くの比丘 | 165 |
比丘尼 | 比丘尼 | 比丘尼 | 166 |
優婆塞 | 優婆塞 | 優婆塞 | 167 |
優婆夷 | 優婆夷 | 優婆夷も | 168 |
倶來會坐 | 倶に會坐に來りぬ | 共に会坐につらなっている | 169 |
彼時佛 | 彼の時佛 | その時に仏は | 170 |
與無量百千之衆 | 無量百千の衆の與に | みなみなに | 171 |
恭敬圍繞 | 恭敬圍繞せられて | うやうやしく囲まれ | 172 |
而爲説法 | 法を説きたもう | 法を説いておられた | 173 |
譬如須彌山王 | 譬ば須彌山王の | それは恰も須弥山王が | 174 |
顯于大海 | 大海に顯わるるが如し | 大海に出現したようであった | 175 |
安處衆寶 | 衆寶の | 多くの宝でできた | 176 |
師子之座 | 師子の座に安處して | 獅子座にゆったりと坐り | 177 |
蔽於一切 | 一切 | すべての | 178 |
諸來大衆 | 諸來の大衆を蔽いたもう | 集まってきた者たちを蔽い抱くようであった | 179 |
爾時毘耶離城 | 爾時毘耶離城に | その時毘耶離城に | 180 |
有長者子 | 長者子がおり | 長者がおり (心平にして性直く語実にして行敦く歯邁み財 盈ちたる名けて長者と為す) |
181 |
名曰寶積 | 名を寶積と曰う | 名を宝積と言った | 182 |
與五百長者子倶 | 五百の長者子と倶に | 五百人の長者の子と倶に | 183 |
持七寶蓋 | 七寶の蓋を持し て | 七宝で飾った蓋を持ち | 184 |
來詣佛所 | 佛所に來詣し | 仏の所へ詣り | 185 |
頭面禮足 | 頭面に足を禮し | 頭面を仏の足につけて礼を尽くし | 186 |
各以其蓋 | 各其の蓋を以て | 各自その蓋を | 187 |
共供養佛 | 共に佛に供養す | 共にさし掛けて仏に供養した | 188 |
佛之威神 | 佛の威神をもて | 仏は神通力によって | 189 |
令諸寶蓋 | 諸の寶蓋をして | その多くの宝蓋を | 190 |
合成一蓋 | 合して一蓋と成ら しめ | 合わせて一つの蓋とし | 191 |
遍覆三千大千世界 | 遍く三千大千世界を覆い | すっぽりと三千大千世界を覆ってしまった | 192 |
而此世界 | 而も此の世界の | しかもこの広い世界の | 193 |
廣長之相 | 廣長の相 | 全ての事が | 194 |
悉於中現 | 悉く中に於て現ず | 悉くその中に現出した(一切の実相を明かにした) | 195 |
又此三千大千世界 | 又此の三千大千世界の | またこの三千大千世界の | 196 |
諸須彌山雪山 | 諸の須彌山雪 山 | 諸々の須弥山 雪山 | 197 |
目眞隣陀山 | 目眞隣陀山 | 目真隣陀山 | 198 |
摩訶目眞隣陀山 | 摩訶目眞隣陀山 | 摩訶目真隣陀山 | 199 |
香山寶山 | 香山寶山 | 香山 寶山 | 200 |
金山黒山 | 金山黒山 | 金山 黒山 | 201 |
鐵圍山 | 鐵圍山 | 鉄囲山 | 202 |
大鐵圍山 | 大鐵圍山 | 大鉄囲山 | 203 |
大海江河 | 大海江河 | 大海江河 | 204 |
川流泉源 | 川流泉源 | 川流泉源 | 205 |
及日月星辰 | 及び日月星辰 | および日月星辰 (辰:日月星の総称) |
206 |
天宮龍宮 | 天宮龍宮 | 天宮竜宮 | 207 |
諸尊神宮 | 諸尊神宮 | 諸尊神宮も | 208 |
悉現於寶蓋中 | 悉く寶蓋の中に現ず | 悉くがこの宝蓋の中に現出した | 209 |
又十方諸佛 | 又十方の諸佛と | また十方の諸仏と | 210 |
諸佛説法 | 諸佛の説法とも | その諸仏の説法まで | 211 |
亦現於寶蓋中 | 亦寶蓋中の中に現ず | それもまた宝蓋の中に現出した | 212 |
爾時一切大衆 | 爾時一切の大 衆 | そこに居合わせた全ての者たちは | 213 |
覩佛神力 | 佛の神力を覩て | 仏の神通力を目の当たりに見て | 214 |
歎未曽有 | 未曽有なりと歎じ | このような事は今まで見たこともないと感嘆し | 215 |
合掌禮佛 | 合掌し佛を禮し | 合掌して仏を礼拝し | 216 |
瞻仰尊顔 | 尊顔を瞻仰して | 仏の顔を仰ぎ | 217 |
目不暫捨 | 目暫くも捨ず | 見入った | 218 |
於是長者子寶積 | 是に於て長者子寶 積は | この時長者の宝積は | 219 |
即於佛前 | 佛前於て | 仏の前で | 220 |
以偈頌曰 | 偈を以て頌て曰く | 仏を賛嘆して偈をもって申し上げた | 221 |
目淨脩廣如青蓮 | 目は淨く脩廣にして青蓮の如く | 目は長く広やかで青蓮のよう | 222 |
心淨已度諸禅定 | 心は淨くして已に諸の禅定を度り | 心は清くあらゆる禅定をなしつくし | 223 |
久積淨業稱無量 | 久しく淨業を積み て稱無量なり | 久しく清浄な心で善業を積み来たり称賛しきれない | 224 |
導衆以寂故稽首 | 衆を導くに寂を以てす故に稽 首したてまつる | 衆生を導くに一切の差別なく行う故に帰依したてまつる | 225 |
既見大聖以神變 | 既に大聖の神 變を以て | すでに仏の神通力をもって | 226 |
普現十方無量土 | 普く十方無量の土を現ずるを見たてまつる | あまねく十方無量の世界を現出して見せていただいた | 227 |
其中諸佛演説法 | 其の中の諸佛の法を演説したも うを | そこで諸仏が説法しているのを | 228 |
於是一切悉見聞 | 是に於て一切悉くを見聞す | この娑婆世界から全て見聞きすることができた | 229 |
法王法力超群生 | 法王の法力群 生を超え | 法の王である仏の法力は人並みではなく | 230 |
常以法財施一切 | 常に法財を以て一 切に施し | 常に法の宝をあらゆる者に施し | 231 |
能善分別諸法相 | 能善く諸法の相を分別して | あらゆる物事の真相をよくわきまえて説き | 232 |
於第一義而不動 | 第一義に於て動ぜず | その第一義は動ずることはない(究竟の眞理) | 233 |
已於諸法得自在 | 已に諸法に於て自在を得たまえり | もとより説かれる所は皆聞く者の力に応じ自在である | 234 |
是故稽首此法王 | 是の故に此の法 王を稽首したてまつる | この故にこの法の王である仏に稽首礼拝す | 235 |
説法不有亦不無 | 説きたもうに 法は有な らず亦無ならず | 仏が説くには 物事というのは変化や差別の有るのでもなく無いのでもない(変化の中を一貫して不変化の理あり) | 236 |
以因縁故諸法生 | 因縁を以ての故に諸法生ず | 万有の生滅し変転して行くのは皆因縁によるもので限りなく続くものである | 237 |
無我無造無受者 | 我無く造無く受 者無きも | この万有以外に別にこれを主宰するものが存在するわけではなく万有に対して造作を加える者もないし他の力を受ける者があるのでもない (皆因縁により相生じ相依り相移って行くのである) | 238 |
善悪之業亦不亡 | 善悪の業亦亡せず | 善き業を積める者には必ず善き報いあり悪き業を積める者には必ず悪き報いがある(善悪の応報をして禍福相承け身自ら之に当たる誰も代 る者なし−無量寿経) | 239 |
始在佛樹力降魔 | 始め佛樹に在して力魔を降し | はじめて仏樹の下で魔を降し(畢鉢羅樹→菩提樹・仏樹) | 240 |
得甘露滅覺道成 | 甘露の滅を得て覺 道成 | 一切の誘惑を滅し尽くし甘露の悟りを得た | 241 |
已無心意無受行 | 已に心意無く受 行無く | それは他を差別する意なく他からの刺激を受けて自分の行いに動揺を生ずることはない | 242 |
而悉摧伏諸外道 | 而も悉く諸の外道を摧伏し | しかも間違った考えを悉く正し | 243 |
三轉法輪於大千 | 三たび法輪を大 千に轉じたもう | 凡夫の苦を説き覚者には真の楽あることを示しその道を求めよと大千世界で説法する | 244 |
其輪本來常清淨 | 其の輪本來常に清淨な り | その法は本来常に清浄であり | 245 |
天人得道此爲證 | 天人道を得るに此を證と爲し | 天人も人もこの法によって悟りを得るのである | 246 |
三寶於是現世間 | 三寶是に於て世 間に現ず | 仏法僧はこのようにして世に現れ | 247 |
以斯妙法濟群生 | 斯の妙法を以て群 生を濟い | この妙法をもって人々を救い | 248 |
一受不退常寂然 | 一たび受けて退せず常に寂然たり | 仏の説く所を信受して退かず常に静かに落ち着いている | 249 |
度老病死大醫王 | 老病死を度する大 醫王 | 仏は老病死の苦から救ってくれる大医王で | 250 |
當禮法海徳無邊 | 當に法海の徳の無邊なるを禮すべし | まさに法の無量の徳を礼拝すべきである | 251 |
毀譽不動如須彌 | 毀譽に動ぜざること須 彌の如く | 世間の毀誉の如きを意に介しない所は須弥山の如くであり | 252 |
於善不善等以慈 | 善不善に於て等く慈を以てす | 善人にも悪人にも大慈悲を以て接し | 253 |
心行平等如虚空 | 心行平等なること虚空の如し | 思う所も行う所も平等に対するのは虚空の如くである | 254 |
孰聞人寶不敬承 | 孰か人寶を聞て敬承せざらん | この人間の至宝である法を聞いて敬うことがない者はいないだろう | 255 |
今奉世尊此微蓋 | 今世尊に此の微 蓋を奉る | 今世尊にこのささやかな蓋を奉り | 256 |
於中現我三千界 | 中に於て我が三 千界を現ず | その中には我等の三千大千世界が現出した | 257 |
諸天龍神所居宮 | 諸天と龍神との居る所の宮 | 諸天や竜神の宮 | 258 |
乾闥婆等及夜叉 | 乾闥婆等及び夜 叉 | 乾闥婆や夜叉など | 259 |
悉見世間諸所有 | 悉く世間の諸の所有を見たり | あらゆる境界が現出したのである | 260 |
十力哀現是化變 | 十力哀んで是の化 變を現じたまえり | 十力を具える仏は哀れんでこの化変を現した | 261 |
衆覩希有皆歎佛 | 衆は希有なるを覩て皆佛を歎ず | 皆この稀有なる光景を見て仏を賛嘆した | 262 |
今我稽首三界尊 | 今我三界の尊に稽 首したてまつる | いま我三界の尊に稽首礼拝す(欲界色界無色界) | 263 |
大聖法王衆所歸 | 大聖法王は衆の歸す る所 | 仏は皆の拠りどころ | 264 |
淨心觀佛靡不欣 | 淨心に佛を觀て欣ばざるなし | 心清ければ仏を見て欣ばないものはいない | 265 |
各見世尊在其前 | 各世尊其の前に在すと見る | 一人一人の目の前に世尊の姿が見える | 266 |
斯則神力不共法 | 斯れ則ち神力不共の法なり | これは仏にのみ出来る神通力だ | 267 |
佛以一音演説法 | 佛一音を以て法を演説したもうに | 仏は一つの眞理を説いているのであるが | 268 |
衆生隨類各得解 | 衆生類に隨いて各解するところ を得 | 衆生はその力量に応じて理解し身につけてゆく | 269 |
皆謂世尊同其語 | 皆謂う世尊其の語を同うすと | そして皆が言う世尊は同じことを言っているのだと | 270 |
斯則神力不共法 | 斯れ則ち神力不共の法なり | これは仏にのみ出来る神通力だ | 271 |
佛以一音演説法 | 佛一音を以て法を演説したもうに | 仏は一つの眞理を説いているのであるが | 272 |
衆生各各隨所解 | 衆生各各解す る所に隨い | 衆生は各々の理解に応じて(各一) | 273 |
普得受行獲其利 | 普く受行することを得て其の利を獲 | 誰もが納得して実行することが出来その利益を獲ることができる | 274 |
斯則神力不共法 | 斯れ則ち神力不共の法なり | これは仏にのみ出来る神通力だ | 275 |
佛以一音演説法 | 佛一音を以て法を演説したもうに | 仏は一つの眞理を説いているのであるが | 276 |
或有恐畏或歡喜 | 或は恐畏するあり或は歡喜す | 或る者は悪業悪報に恐れ或る者は仏道に歓喜し | 277 |
或生厭離或斷疑 | 或は厭離を生じ或は疑を斷ず | また或る者は凡夫の浅ましさを厭い離れたいと思い或る者は疑いを断つことができる | 278 |
斯則神力不共法 | 斯れ則ち神力不共の法なり | これは仏にのみ出来る神通力だ | 279 |
稽首十力大精進 | 十力の大精進に稽 首したてまつる | 十力を具える仏の大精進に稽首礼拝す | 280 |
稽首已得無所畏 | 已に無所畏を得稽首したてまつる | すでに無所畏を得られた仏に稽首礼拝す | 281 |
稽首住於不共法 | 不共の法に住稽首したてまつる | 誰も真似のできない法を具える仏に稽首礼拝す | 282 |
稽首一切大導師 | 一切の大導師なるこ とに稽首したてまつる | 一切の者の大導師である仏に稽首礼拝す | 283 |
稽首能斷衆結縛 | 能く衆の結縛を斷じたまえることを稽首し たてまつる | あらゆる煩悩を断切った仏に稽首礼拝す | 284 |
稽首已到於彼岸 | 已に彼岸に到りたまえることを稽首したてまつる | すでに彼岸に到達されている仏に帰依する | 285 |
稽首能度諸世間 | 能く諸の世間を度したまえるを稽首し たてまつる | 諸々の世間を救ってくれる仏に稽首礼拝す | 286 |
稽首永離生死道 | 永く生死の道を離れたまえるを稽首し たてまつる | 永久に生死の変化を超越した仏に稽首礼拝す(利害得失栄枯盛衰も同じである) | 287 |
悉知衆生來去相 | 悉く衆生來去の相を知り | 仏は衆生の善悪の業により種々の境界に入る有様をすべて知っている | 288 |
善於諸法得解脱 | 善く諸法に於て解脱を得 | あらゆる物事から解脱しているし | 289 |
不著世間如蓮華 | 世間に著せざること蓮 華の如し | 汚濁の世間にあって染まらないのは蓮華のごとくである | 290 |
常善入於空寂行 | 常に善く空寂の行に入り | 常に一切の差別をはなれ一切の変化を超越し | 291 |
達諸法相無圭礙 | 諸法の相に達し圭 礙無し | あらゆる物事の相について極めているので自在である(圭:横目に圭) | 292 |
稽首如空無所依 | 空の如くにして所 依無きを稽首し たてまつる | 空の如く何物よりも動ずることのない仏に稽首礼拝す(無量義経徳行品は百二句) | 293 |
爾時長者子寶積 | 爾時長者子寶積 | こうして長者子宝積は | 294 |
説此偈已白佛言 | 此の偈を説き已り佛に白して言わ く | この偈を説き終わって仏に申し上げた | 295 |
世尊 | 世尊 | 世尊よ | 296 |
是五百長者子 | 是の五百の長者 子は | この五百の長者子は | 297 |
皆已發阿耨多羅三藐三菩提 | 皆已に阿耨多羅三藐三菩提を發し | 皆すでに仏智を求める心を発し | 298 |
願聞得佛國土清淨 | 佛國土の清淨を得る ことを聞かんと願う | 仏国土の清浄を得るにはどうすべきかを聞きたいと願う | 299 |
唯願世尊 | 唯願わくば世尊 | 唯願わくは世尊よ | 300 |
説諸菩薩淨土之業 | 諸の菩薩の淨 土の業を説き たまえと | 多くの菩薩が行っている国土を清める行いを聞かせていただきたい | 301 |
佛言善哉寶積 | 佛言く善い哉寶積 | 仏は言った善い哉宝積 | 302 |
乃能爲諸菩薩 | 乃ち能く諸菩薩の爲に | よく諸々の大乗を学ぼうとする菩薩のため | 303 |
問於如來 | 如來に | 如来に | 304 |
淨土之業 | 淨土の業を問う ことや | 淨土での業を問うてくれた | 305 |
諦聽諦聽 | 諦に聽け諦に聽け | しっかり聴けしっかりと聴け | 306 |
善思念之 | 善く之を思念せよ | そしてよく思念せよ | 307 |
當爲汝説 | 當に汝が爲に説くべしと | では汝のために説こう | 308 |
於是寶積 | 是に於て寶積 | そして宝積 | 309 |
及五百長者子 | 及び五百の長 者子 | 及び五百の長者子は | 310 |
受教而聽 | 教を受けて而して聽く | 教えを受けて聴いた | 311 |
佛言寶積 | 佛言わく寶積 | 仏は言う宝積よ | 312 |
衆生之類 | 衆生の類 | 衆生の種類は無限である | 313 |
是菩薩佛土 | 是れ菩薩の佛土なり | この種々雑多な衆生が居る所こそが菩薩が仏道を学ぶに最も適した所である | 314 |
所以者何 | 所以は何ん | 何故かというと | 315 |
菩薩隨所化衆生 | 菩薩は所化の衆 生に隨いて | 教化を受け易い衆生がいれば | 316 |
而取佛土 | 佛土を取る | そこが仏道を成ずべき地と考え努力するのである | 317 |
隨所調伏衆生 | 調伏する所の衆 生に隨いて | 力を尽して法を説き正法に帰伏させたい衆生がいれば | 318 |
而取佛土 | 佛土を取る | そのような難関を突破し遂行することが仏国土を造ることである | 319 |
隨諸衆生 | 諸の衆生の | 諸々の機根を持った衆生に対してそれぞれが | 320 |
應以何國 | 何の國を以て | 如何なる境遇にあり如何なる指導をするかにより | 321 |
入佛智慧 | 佛智慧に入るべきかに隨いて | 仏の智慧に入らしめるか | 322 |
而取佛土 | 佛土を取る | その遂行が仏国土を造ることである | 323 |
隨諸衆生 | 諸の衆生の | 諸々の衆生の | 324 |
應以何國 | 何の國を以て | 如何なる境遇にあるかにより | 325 |
起菩薩根 | 菩薩の根を起すべきかに隨いて | 菩薩の性根を身につけることができるか | 326 |
而取佛土 | 佛土を取る | その遂行が仏国土を造ることである | 327 |
所以者何 | 所以は何ん | 何故かというと | 328 |
菩薩取於淨國 | 菩薩の淨國を取る は | 菩薩が人々を導き国土を清浄にしようとするのは | 329 |
皆爲饒益 | 皆 | すべて | 330 |
諸衆生故 | 諸の衆生を饒 益せんが爲の故な り | 衆生が安寧に暮らせるようにするためである | 331 |
譬如有人 | 譬えば人有り て | たとえばある人が | 332 |
欲於空地 | 空地に於て | 空き地に | 333 |
造立宮室 | 宮室w造立せんと欲す るに | 家を造るのは | 334 |
隨意無礙 | 意に隨いて無礙なれども | 容易であろうが | 335 |
若於虚空 | 若し虚空に於てすれば | 空中に造るのことは | 336 |
終不能成 | 終に成ずること能わざるが如し | 出来ないであろう | 337 |
菩薩如是 | 菩薩も是の如く | 菩薩も同じであり | 338 |
爲成就衆生故 | 衆生を成就せんが爲の故に | 衆生を成就させるために | 339 |
願取佛國 | 願いて佛國を取る | 願って仏の国をあずかるのだ | 340 |
願取佛國者 | 願いて佛國を取る ことは | 願って仏の国をあずかるというのは | 341 |
非於空也 | 空に於てするにあらざるなり | 衆生がいるから仏の国が出来るのであって空中に仏の国を造ることはできない(菩薩は衆生無ければ無上菩提を成ずることを得ず-華厳経 -) | 342 |
寶積當知 | 寶積當に知る べし | 宝積よまさに知るがよい | 343 |
直心是菩薩淨土 | 直心は是れ菩薩の淨土なり | 自らも真っ直ぐで誠実な心を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 344 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 345 |
不諂衆生 | 不諂の衆生 | 正直な衆生が | 346 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 347 |
深心是菩薩淨土 | 深心は是れ菩薩の淨土なり | 自らも法を求むるに深い心を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 348 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 349 |
具足功徳衆生 | 功徳を具足せる衆 生 | 功徳の具わった衆生が | 350 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 351 |
菩提心是菩薩淨土 | 菩提心は是れ菩 薩の淨土なり | 菩提心を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 352 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 353 |
大乘衆生 | 大乘の衆生 | 大乗を会得した衆生が | 354 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 355 |
布施是菩薩淨土 | 布施は是れ菩薩の淨土なり | 布施を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 356 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 357 |
一切能捨衆生 | 一切能捨の衆生 | 何物にもとらわれない衆生が | 358 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 359 |
持戒是菩薩淨土 | 持戒は是れ菩薩の淨土なり | 持戒を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 360 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 361 |
行十善道滿願衆生 | 十善道を行ぜる滿 願の衆生 | 十善道を行じ満願に達した衆生が(十悪を離れる:殺生偸盗邪淫妄語両舌悪口綺語貪欲瞋恚邪見) | 362 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 363 |
忍辱是菩薩淨土 | 忍辱は是れ菩薩の淨土なり | 忍辱を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 364 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 365 |
三十二相莊嚴衆生 | 三十二相を莊嚴し た衆生 | 瞋恚を離れ心が平安となり三十二相を身に具えた衆生が | 366 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 367 |
精進是菩薩淨土 | 精進は是れ菩 薩の淨土なり | 精進を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 368 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 369 |
勤修一切功徳衆生 | 一切の功徳を勤 修せる衆生 | 勤げみ修め全ての功徳を身につけた衆生が | 370 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 371 |
禪定是菩薩淨土 | 禪定は是れ菩 薩の淨土なり | 禪定を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 372 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 373 |
攝心不亂衆生 | 心を攝めて亂れざる衆生 | 常に外物のために心惹かれ散漫になることのなくなった衆生が | 374 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 375 |
智慧是菩薩淨土 | 智慧は是れ菩薩の淨土なり | 智慧を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 376 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 377 |
正定衆生 | 正定の衆生 | その心が決定し動揺せず事物の真相を明らかにし正しい智慧を具えた衆生が | 378 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 379 |
四無量心是菩薩淨土 | 四無量心は是れ菩 薩の淨土なり | 四無量心を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である(四心:慈悲喜捨) | 380 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 381 |
成就慈悲喜捨衆生 | 慈悲喜捨を成就せ る衆生 | 慈悲喜捨の四心を成就した衆生が(慈:人々の幸せを増す 悲:苦悩を除く 喜:他人の幸福を共に喜ぶ 捨:感謝されずとも心に掛けな い、正道に戻れば許し心に止めない‥四心相応すればその功徳無量成るが故に四無量心という) | 382 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 383 |
四攝法是菩薩淨土 | 四攝法は是れ菩 薩の淨土なり | 四攝法を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である(=四攝事:布施愛語利行同事(協力)人々を引きつけ救う四つ の徳) | 384 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 385 |
解脱所攝衆生 | 解脱所攝の衆生 | 解脱のできている衆生が(他人のために力を尽すことは即ち自己を益する‥事が身に付いている) | 386 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 387 |
方便是菩薩淨土 | 方便は是れ菩薩の淨土なり | 方便を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 388 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 389 |
於一切法方便無礙衆生 | 一切の法に於て方便無礙なる衆生 | あらゆることに方便自在の衆生が(教えを聴く者の機根に応じ深浅高下種々に法を説く) | 390 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 391 |
三十七道品是菩薩淨土 | 三十七道品は是れ菩 薩の淨土なり | 三十七道品を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である(四念処(身・受・心・法念処)四正勤(除悪・防悪・生 善・育善)四如意足(欲・精進・一心・思惟神足)五根(信・精進・念・定・慧根)五力(信・精進・念・定・慧力)七覚支(択法・精進・喜・軽安・念・定・ 行捨覚支)八正道(正見・思・語・業・命・精進・念・定)) | 392 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 393 |
念處正勤神足根力覺道衆生 | 念處正勤神足根力覺道の衆生 | 念処正勤神足根力覺道の三十七道品を具えた衆生が | 394 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 395 |
迴向心是菩薩淨土 | 迴向心は是れ菩 薩の淨土なり | 彼の雑行を回向して一乗に向わしめる迴向心を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である | 396 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 397 |
得一切具足功徳國土 | 一切功徳を具足せ る國土を得 | 一切の功徳を成就した者の国土を得るであろう | 398 |
説除八難是菩薩淨土 | 八難を除くことを説く は是れ菩薩の淨土な り | 正しい法を学ぶに障碍になる境遇を除くことを説き共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である(八難:地獄・餓鬼・畜生・欝単越・長寿 天・聾盲音唖(音は病だれ)・世智弁聡・仏前仏後) | 399 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 400 |
國土無有三悪八難 | 國土に三悪八難有る こと無し | その国土に三悪八難は無いであろう | 401 |
自守戒行不譏彼闕 | 自ら戒行を守りて彼の闕を譏らざるは | 自らは戒を守るが他の戒を守り得ぬものをそしることはせずこれを哀われ導き | 402 |
是菩薩淨土 | 是れ菩薩の淨土なり | 共に淨土を実現してゆく菩薩の道である | 403 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 404 |
國土無有犯禁之名 | 國土に犯禁の名有る こと無し | 国土には禁を犯すものはいなくなるであろう | 405 |
十善是菩薩淨土 | 十善は是れ菩 薩の淨土なり | 十善を重んじ人々にも教え共に淨土を実現してゆくのが菩薩の道である( | 406 |
菩薩成佛時 | 菩薩成佛の時に | 菩薩が成佛した時には | 407 |
命不中夭 | 命中夭せず | 皆命は長寿を保ち | 408 |
大富梵行所言誠諦 | 大富梵行言う所誠諦にして | 豊かで行いは清く言葉は誠実でよく事物の真を明らかにし | 409 |
常以軟語 | 常に軟語を以て し | 常に言葉はやさしい | 410 |
眷屬不離 | 眷屬離れず | 一族はよくまとまり | 411 |
善和諍訟 | 善く諍訟を和し | 争いごとがあっても善く和し | 412 |
言必饒益 | 言は必ず饒益し | その言葉は聞く人に益を与える | 413 |
不嫉不恚 | 嫉まず恚らざる | 嫉んだり怒ったりせず | 414 |
正見衆生 | 正見の衆生 | 物事を正しく見ることができる衆生が | 415 |
來生其國 | 來りて其の國に生ず | その国に来て生まれるだろう | 416 |
如是寶積 | 是くの如く寶積 | 宝積よ是くの如く | 417 |
菩薩隨其直心 | 菩薩其の直心に隨いて | 菩薩はその信ずる直心に従い | 418 |
則能發行 | 則ち能く發行す | 果敢に実践するのである | 419 |
隨其發行 | 其の發行に隨いて | その実践によって | 420 |
則得深心 | 則ち深心を得 | さらに深い信心を得て | 421 |
隨其深心 | 其の深心に隨いて | 深い信心により | 422 |
則意調伏 | 則ち意調伏す | また更にその心は全く混乱粉雑から離れる | 423 |
隨意調伏 | 意調伏せるに隨いて | 心が調伏されるに従い | 424 |
則如説行 | 則ち説の如く行ず | 仏の説く所に沿う行いが出来る | 425 |
隨如説行 | 説の如く行ぜるに隨いて | その正しい行いが | 426 |
則能迴向 | 則ち能く迴向す | 正しい覚りを得るために役立つのである | 427 |
隨其迴向 | 其の迴向に隨いて | その廻向にしたがえば | 428 |
則有方便 | 則ち方便有り | 方便を自在にでき | 429 |
隨其方便 | 其の方便に隨いて | その方便にしたがって教化すれば | 430 |
則成就衆生 | 則ち衆生を成 就す | 衆生は仏の道を成就できるであろう | 431 |
隨成就衆生 | 衆生を成就するに隨いて | 衆生が成就すれば | 432 |
則佛土淨 | 則ち佛土淨し | この仏土は罪汚れが取り除かれ | 433 |
隨佛土淨 | 佛土淨きに隨いて | 仏土が清められれば | 434 |
則説法淨 | 則ち説法淨し | 説法清く | 435 |
隨説法淨 | 説法淨きに隨いて | 説法清ければ | 436 |
則智慧淨 | 則ち智慧淨し | 智慧清く | 437 |
隨智慧淨 | 智慧淨きに隨いて | 智慧清ければ | 438 |
則其心淨 | 則ち其の心淨し | 心清し | 439 |
隨其心淨 | 其の心淨きに隨いて | 心清く | 440 |
則一切功徳淨 | 則ち一切の功 徳淨し | 一切の功徳は清浄である | 441 |
是故寶積 | 是くの如く寶積 | 宝積よ是くの如く | 442 |
若菩薩欲得淨土 | 若し菩薩淨土を得ん と欲せば | 菩薩が淨土を求めるのであれば | 443 |
當淨其心 | 當に其の心を淨くすべし | まさにその心を清くすることである | 444 |
隨其心淨 | 其の心を淨きに隨がい | 心清ければ | 445 |
則佛土淨 | 則ち佛土淨し | この仏土は必ず清くなる | 446 |
爾時舎利弗 | 爾の時に舎利弗 | その時に舎利弗は(→この舎利弗の疑問によりこの土に淨土を実現し得ることになってゆく) | 447 |
承佛威神作是念 | 佛の威神を承け て是の念を作さ く | 仏の力が加わってこう思った | 448 |
若菩薩心淨 | 若し菩薩の心淨ければ | もし菩薩の心が清ければ | 449 |
則佛土淨者 | 則ち佛土淨しというな らば | この仏土が清くなるというのであれば | 450 |
我世尊本爲菩薩時 | 我が世尊本菩薩なりし時 | わが世尊が昔菩薩であった頃 | 451 |
意豈不淨 | 意豈淨からざらんや | その心は清くなかったのか | 452 |
而是佛土 | 而も是の佛土の | それでこの仏土は | 453 |
不淨若此 | 淨からざること此の若しと | かくも不浄だというのか | 454 |
佛知其念 | 佛其の念を知ろしめして | 仏はその思いを察し | 455 |
即告之言 | 即ち之に告て言わく | こう言った | 456 |
於意云何 | 意に於て云何 | どう思うか | 457 |
日月豈不淨耶 | 日月豈に淨からざらんや | どうして日月は不浄であるものか | 458 |
而盲者不見 | 而も盲者は見ず と | しかるに盲人には見ることができない | 459 |
對曰不也世尊 | 對えて曰く不なり世尊 | 舎利弗が答えて言うにはいいえ世尊日月が不浄なのではありません | 460 |
是盲者過 | 是は盲者の過にして | これは盲人の方が見えないのであって | 461 |
非日月咎 | 日月の咎にはあらずと | 日月の咎ではありません | 462 |
舎利弗 | 舎利弗 | 舎利弗よ | 463 |
衆生罪故 | 衆生の罪の故に | それは衆生の罪のために | 464 |
不見如來 | 如來の | 如来の | 465 |
佛土嚴淨 | 佛土の佛嚴淨を見ず | 仏土が厳淨であると見えないのであって | 466 |
非如來咎 | 如來の咎にはあらず | 如来の咎ではないのだ | 467 |
舎利弗 | 舎利弗 | 舎利弗よ | 468 |
我此土淨 | 我が此の土は淨きも | わたしのこの国土は淨いのであるが | 469 |
而汝不見 | 而も汝見ざ るなり | しかしおまえにはそれが見えないのだ | 470 |
爾時螺髻梵王 | 爾の時螺髻梵王 | その時螺髻梵王が(梵天王) | 471 |
語舎利弗 | 舎利弗に語るらく | 舎利弗に言うには | 472 |
勿作是意 | 是の意を作し て | そうゆうふうに考え | 473 |
謂此佛土 | 此の佛土を謂いて | この仏土が | 474 |
以爲不淨 | 不淨と爲すことなかれ | 不浄であると言ってはいけない | 475 |
所以者何 | 所以は何 | なぜならば | 476 |
我見釋迦牟尼 | 我釋迦牟尼 | わたしは釈迦牟尼 | 477 |
佛土清淨 | 佛土の清淨なるを見る こと | 仏土の清浄であるのは | 478 |
譬如自在天宮 | 譬えば自在天宮の如しと | 譬えていえば自在天宮のようなものです | 479 |
舎利弗言 | 舎利弗言く | 舎利弗は言った | 480 |
我見此土 | 我此の土を見る に | 私がこの国土を見ると | 481 |
丘陵坑坎 | 丘陵坑坎 | 山坂凸凹 | 482 |
荊蕀沙礫 | 荊蕀沙礫 | 荊に砂礫 | 483 |
土石諸山 | 土石諸山 | 土石山々 | 484 |
穢悪充滿 | 穢悪充滿せりと | 汚いもので満ちあふれていると | 485 |
螺髻梵王言 | 螺髻梵王言く | そこで螺髻梵王は言った | 486 |
仁者心有高下 | 仁者心に高 下あり | あなたの心は高下があって平静ではない | 487 |
不依佛慧故 | 佛慧に依らざるが故に | 仏の智慧に依っていないので | 488 |
見此土爲不淨耳 | 此の土を見て不 淨と爲すのみ | この国土が不浄に見えているだけだ | 489 |
舎利弗 | 舎利弗 | 舎利弗よ | 490 |
菩薩於一切衆生 | 菩薩は一切衆生に於て | 菩薩の心には一切の衆生は | 491 |
悉皆平等 | 悉く皆平等にして | 皆悉く平等であり | 492 |
深心清淨 | 深心清淨なり | 深い心で見れば清浄である(深く見よさらば美しきものを見ん−カーライル−) | 493 |
依佛智慧 | 佛の智慧に依ら ば | 仏の智慧に依れば | 494 |
則能見此 | 則ち能く此の | よく此の | 495 |
佛土清淨 | 佛土の清淨なるを見ん と | 仏土の清浄であることを見ることができる | 496 |
於是佛以 | 是に於て佛 | そこで仏は | 497 |
足指按地 | 足の指を以て地を按し たもうに | 足の指で地を押したところ | 498 |
即時三千 | 即時に三千 | たちまち三千 | 499 |
大千世界 | 大千世界 | 大千世界が | 500 |
若干百千 | 若干百千の | 百千もの | 501 |
珍寶嚴飾 | 珍寶をもて嚴飾するこ と | 珍宝で飾られ | 502 |
譬如寶莊嚴佛 | 譬えば寶莊嚴佛の | たとえば宝荘厳仏の | 503 |
無量功徳 | 無量功徳 | 無量功徳 | 504 |
寶莊嚴土 | 寶莊嚴土 | 宝荘厳土のようになった | 505 |
一切大衆 | 一切の大衆 | 一同は皆 | 506 |
歎未曽有 | 未曽有と歎じ | 未曾有の光景に驚嘆したが | 507 |
而皆自見 | 而も皆自ら | 気が付くと皆自分たちが | 508 |
坐寶蓮華 | 寶蓮華に坐するを見る | 宝蓮華に坐っていた(本来具えている仏性を自覺した) | 509 |
佛告舎利弗 | 佛舎利弗に告げ たまわく | 仏は舎利弗に言った | 510 |
汝且觀是 | 汝且く是 | 汝はしばらくこの | 511 |
佛土嚴淨 | 佛土の嚴淨を觀よ と | 仏土の厳淨をよく見よと | 512 |
舎利弗言 | 舎利弗言さく | 舎利弗は言った | 513 |
唯然世尊 | 唯然り世尊 | はい世尊よ | 514 |
本所不見 | 本見ざる所 | 小乗の教えを学んでいる時は見たこともなく | 515 |
本所不聞 | 本聞ざる所なり | 聞いたこともありませんでした | 516 |
今佛國土 | ruby>今ruby>佛國土の | いま仏国土の | 517 |
嚴淨悉現 | 嚴淨悉く現ずと | 厳淨が悉く現出しました | 518 |
佛語舎利弗 | 佛舎利弗に語りたまわく | また仏は舎利弗に言う | 519 |
我佛國土 | 我が佛國土は | 我が仏国土は | 520 |
常淨若此 | 常に淨きこと此の若し | 常にこのように淨い | 521 |
爲欲度斯下劣人故 | 斯の下劣の人を度せんが爲の故に | 煩悩に囚われた者を救わんがために | 522 |
示是衆悪不淨土耳 | 是の衆悪不淨の土を示すのみ | この悪不浄を示しているだけである | 523 |
譬如諸天 | 譬えば諸天の | 例えば諸々の天人が | 524 |
共寶器食 | 寶器を共にして食するも | 同じ宝の器で食事をしても | 525 |
隨其福徳 | 其の福徳に隨い | その福徳によって | 526 |
飯色有異 | 飯の色に異あ るが如し | 飯が異なるようなものなのだ | 527 |
如是舎利弗 | 是の如ごとく舎利弗 | このように舎利弗よ | 528 |
若人心淨 | 若し人心淨ければ | もし人が心清ければ | 529 |
便見此土 | 便ち此の土の | この国土に | 530 |
功徳莊嚴 | 功徳莊嚴を見ると | 功徳荘厳を見ることができるのだ | 531 |
當佛現此國土 | 佛此の國土の | 仏がこの国土の | 532 |
嚴淨之時 | 嚴淨を現じたもう時に當りて | 厳淨を現出する時に | 533 |
寶積所將 | 寶積の將ゆる所の | 宝積のひきいる | 534 |
五百長者子 | 五百の長者子 | 五百人の長者子は | 535 |
皆得無生法忍 | 皆無生法忍を得 | 皆この絶対の真理を覚り動じない心境に達した | 536 |
八萬四千人皆 | 八萬四千の人皆 | 八万四千の者は皆 | 537 |
發阿耨多羅三藐三菩提心 | 阿耨多羅三藐三菩提心を發し き | 無上の悟りを求める心を発した | 538 |
佛攝神足 | 佛神足を攝めたもう | 仏は足をおさめたので | 539 |
於是世界 | 是に於て世界 | この世界は | 540 |
還復如故 | 還た復た故の如し | また元に戻った | 541 |
求聲聞乘 | 聲聞乘を求むる | 声聞縁覚の小乗を求める | 542 |
三萬二千天及人 | 三萬二千の天及び人 | 三万二千の天および人の者たちは | 543 |
知有爲法 | 有爲の法は | 変化してやまぬ一切の事物は | 544 |
皆悉無常 | 皆悉く無常と知り | 皆悉く無常と知り | 545 |
遠塵離垢 | 塵を遠ざかり垢を離れ | 煩悩を離れ | 546 |
得法眼淨 | 法眼淨を得 | 清浄の心を持って事物に対し得る境界を得た | 547 |
八千比丘 | 八千の比丘 | 八千の比丘は | 548 |
不受諸法 | 諸法を受けず | あらゆる事物の変化によって影響を受けることはなく | 549 |
漏盡意解 | 漏盡き意解し にき | 煩悩が尽きて解脱を得た | 550 |
佛國品第一 終 | ・ | ||
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